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脳ドックで分かること・分からないこと。検査機器ごとの違いも解説

脳ドックは、頭部MRI・MRA等で脳の疾患や疾患リスクを早期に見つける検査です。ただし「脳のすべてが分かる」わけではありません。発見できる病気と、できないことの両方を整理します。

公開・更新

2024.11.29 公開 / 2026.08.23 更新

検査結果を説明する医師

1. 脳ドックで発見できる病気

脳梗塞

脳の血流が一部または完全に遮断されて起こります。脳細胞に酸素と栄養が届かなくなり、運動麻痺、感覚障害、言語障害などが生じます。MRI・MRAで血流と血管の状態を確認でき、症状のない「無症候性脳梗塞」も発見できます。無症候性脳梗塞は将来の脳梗塞や認知症のリスクを高めるため、早期発見が重要です。

脳動脈瘤

脳内の血管の一部が膨らんでコブになった状態です。破裂すると脳出血を引き起こし、生命に危険が及びます。血管の形状や異常を詳細に観察することで早期に発見できます。

脳腫瘍

脳に発生する異常な細胞の塊で、良性・悪性のいずれもあります。慢性的な頭痛、吐き気や嘔吐、視神経の異常などが症状です。悪性の場合は手足の麻痺、言語障害、認知障害が見られます。脳ドックでは腫瘍の有無、大きさ、位置を特定でき、早期発見は治療の選択肢を広げます。

認知症

MRI・MRAだけでは診断できません。認知症の診断には複数の検査を組み合わせる必要があります。認知症検診コースを設けている施設もあります。

2. 脳ドックで分からないこと

一時的な脳の不調

脳ドックが確認するのは脳の構造と血流、つまり疾病の有無です。ストレスや過労による頭痛やめまいは、検査結果に反映されないことがあります。脳の健康には生活習慣が影響するため、運動・食事・睡眠を整え、ストレスを発散していくことが土台になります。

細かな神経の異常

大きな異常や構造変化は発見できますが、細かな神経の異常や微小な病変は見つけにくい場合があります。神経内科での詳細な診断や追加検査が必要になることもあります。

健康なうちからの海馬の萎縮

疾患ではないため、通常の脳ドックの対象外です(第5章)。

3. MRI・MRA・CTの違い

機器 仕組み 分かること 所要時間の目安
MRI 磁力(被ばくなし) 脳の構造や組織を高解像度で。脳梗塞、脳腫瘍などの細かな構造変化 頭部で20〜30分程度
MRA MRI画像データから血管を描出 脳動脈瘤、血管の狭窄、血流の異常 MRIと同時
CT X線 脳梗塞、脳出血、脳腫瘍。急性の脳出血の診断にも 頭部で5〜10分程度

MRIはオプションを付けることで、症状が出る前の健康なうちからの海馬の萎縮度合いを測ることもできます。

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4. コースとオプションの選び方

基本コースは、MRI・MRAで脳の全体的な健康状態を評価します。構造異常、血流の問題、脳梗塞や脳腫瘍の早期発見が可能で、初めての方や定期チェックを希望する方に適しています。

オプションには、脳血流を詳しく見るCT検査、脳の機能を評価する脳波検査、海馬の大きさを測るBrainSuite、アルツハイマー型認知症の萎縮評価を支援するVSRAD、認知機能検査などがあります。過去の病歴や家族歴をふまえ、医師と相談しながら選んでください。

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5. 海馬の萎縮は別の指標で見る

海馬は認知機能の低下に先行して20・30代から萎縮が始まる一方、神経の生まれ変わりによって何歳からでも萎縮を抑え、大きくすることができる部位です。

東北大学加齢医学研究所のAI画像解析技術にもとづく「BrainSuite」では、海馬の大きさ、同性・同年齢と比較した海馬占有率、経年変化予測を確認できます。脳ドックのオプションとしても、単独検査としても受診できます。

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6. よくある質問

Q. 脳ドックで認知症は分かりますか

A. MRI・MRAだけでは診断できません。複数の検査を組み合わせた総合的な診断が必要です。

Q. 異常なしと言われれば安心してよいですか

A. 疾患の有無についてはそうですが、一時的な不調や微小な病変、健康なうちからの海馬の萎縮は別です。

Q. MRIとCTはどちらを受けるべきですか

A. 脳の検査ではMRIが一般的です。急性の脳出血の診断ではCTが用いられます。

Q. 被ばくはありますか

A. MRI・MRAは磁力を使うため被ばくはありません。CTはX線を使用します。

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