Top / 知ることから / 脳ドックとは

検査を知る

脳ドックとは?受けた方がいいケース、検査内容と医療施設の選び方

脳ドックとは、頭部MRI・MRAなどを用いて脳の疾患や疾患リスクを早期に見つける健康診断の一種です。通常の健康診断・人間ドックに脳の検査は含まれません。この記事では、検査内容・受けるべきケース・費用・選び方を順に解説します。

公開・更新

2024.05.29 公開 / 2026.08.23 更新

MRI装置と検査技師のいる撮影室

1. 脳ドックとは

脳ドックとは「頭部MRI・MRA等を用いて脳に関係する疾患の診断や、疾患リスクの早期発見等を目的とする健康診断の一種」です(脳ドック学会)。日本独特の予防医学で、人口100万人当たりのMRI台数は日本が世界一です[※1]。

脳ドックで見つかる脳血管疾患は、自覚症状が出にくい一方、突然発症し死に至ることの多い疾患です。脳血管疾患は日本人の死因の4番目で、2021年の死亡者数は10万4,595人(厚生労働省「令和3年人口動態統計」)。発症者は年間29万人以上とされ、およそ3人に1人が亡くなる計算になります。寝たきりの原因としては最多、介護が必要になる病気としても2番目に多い疾患です。

自覚症状が出にくいからこそ、定期的に確認することが重要になります。

2. 脳ドックの検査内容

基本コースにMRI・MRAが含まれ、オプションで追加できる病院・クリニックが一般的です。コースは施設ごとに異なります。

大項目 検査項目 分かること
脳の検査 MRI(磁気共鳴断層撮影) 脳の断面を撮像。脳動脈硬化、無症候性脳梗塞、脳腫瘍、脳の萎縮
MRA(脳血管撮影) 脳の血管。脳動脈瘤、動静脈奇形、血管の閉塞・狭窄。MRIと同時に検査可能
CT X線で脳の断面を撮影。脳の検査ではMRIが一般的
基本検査 頸動脈エコー 脳に血液を送る首の動脈の狭窄
ABI/CAVI 心臓から足首までの動脈硬化度
心電図 心房細動等の不整脈(脳梗塞の原因の1つ)
血液検査 動脈硬化のリスク
血圧測定 高血圧の有無
オプション BrainSuite 20・30代から萎縮が始まる「海馬」の大きさをAIで測定。対象は20代から(推奨30〜80代)
VSRAD アルツハイマー型認知症で特徴的な領域の萎縮評価支援。目安50歳以上
認知機能検査 テストや口頭質問で認知機能を確認

これらにより、無症状の脳梗塞や微小出血、脳動脈瘤、脳腫瘍、頸動脈の狭窄、脳の健康状態を確認できます。

受けられない場合があります

心臓ペースメーカー、人工内耳、脳深部刺激術(DBS)・脊髄刺激療法(SCS)後など、体内に一定の金属が残っている方はMRI検査を受けられません。金属の材質が不明な場合、金属を含むメイクやネイルがある場合も同様です。受診先にご確認ください。

3. 脳ドックを受けた方がいいケース

  • 健康診断で基準値を外れた項目が多い:脂質異常症、肥満気味、高血圧、糖尿病、喫煙習慣、飲酒量が多い方
  • ストレスが多い:ストレスは海馬の萎縮リスクを高めます
  • 強い頭痛がある:頭痛の原因と、脳の異常の有無を調べられます
  • 脳卒中・認知症の家族歴がある:遺伝的要因が関与するとされています

受診者の声(株式会社CogSmart調べ)

  • 家族に脳梗塞の診断を受けた者がいて、早期発見が大事であるため念のために受けた(愛媛県・39歳・男性)
  • 人間ドックを受けようと思っていた際、物忘れが少し心配になっていたので、人間ドックのプランに頭部MRIもつけて一緒に受けた(神奈川県・32歳・女性)
  • 物忘れが多かったところ、家族より念のため受けたら良いのではないかとすすめられたため(神奈川県・41歳・女性)
  • 偏頭痛持ちで年1回は受けている(宮城県・53歳・男性)
  • 父が脳梗塞で倒れたのを機に受けた(神奈川県・55歳・男性)

4. 受診の流れと所要時間

  1. 予約:事前予約が必要です
  2. 検査実施:来院し各検査を受けます
  3. 結果説明・問診:医師が診断結果を説明(後日の施設もあります)
  4. 結果報告書の受け取り:通常1〜3週間程度

所要時間は1〜3時間程度。人間ドックを含むコースでは1日かかることもあります。オプションだけを切り出せる場合はより短時間で、たとえば海馬測定MRI検査「BrainSuite」の単体の撮像であれば10分程度で、受付を含めても約30分で終わる場合があります(施設により異なります)。

5. 費用の相場は2万〜10万円程度

日本はMRI台数が世界一多く[※1]、MRI検査費用は諸外国と比べて安価です。一般的なコースで2〜10万円程度、オプションのみを切り出せる場合はより低単価になることもあります。参考までに、香港ではMRI撮像だけで10万円以上かかり、診療代が上乗せされます。

海馬測定MRI検査「BrainSuite」を単独で受けられる電子チケットは19,800円(税込)でオンライン販売しています。贈り物としても利用できます。

あわせて読みたい:詳しくは脳ドックの費用

6. 選び方の4つの基準

総合病院、健康診断センター、脳神経外科のあるクリニックなどで受診できます。定期的に受けて経年変化を見るものなので、選ぶ基準は「場所と通いやすさ」「コース内容」「費用と助成金」「医師と読影体制」の4つです。

なお「脳ドック」には、頭部MRI・MRAだけを受ける検査と、それらを人間ドックに組み込んだ健診コースの2パターンがあります。申し込む前に、コース名ではなく検査項目の一覧で内容を確認してください。

あわせて読みたい:詳しくは脳ドックの選び方BrainSuite提携医療機関を探す

7. 海馬の大きさを測るという選択肢

通常の脳ドックで分かるのは疾病の有無です。認知機能の低下に先行して20・30代から萎縮が始まる「海馬」は小指ほどの大きさのため、通常のMRIと目視だけでは健康なうちからの微細な萎縮を判別できませんでした。

東北大学加齢医学研究所のAI画像解析技術にもとづく「BrainSuite」では、海馬の大きさ、同性・同年齢と比較した海馬占有率、経年変化予測を確認できます。海馬は神経の生まれ変わりによって何歳からでも萎縮を抑え、大きくすることができる部位です。脳ドックのオプションとしても、単独検査としても受診できます。

あわせて読みたい:詳しくは海馬とは?

8. よくある質問

Q. 何歳から受けるべきですか

A. 20代から受けられます(推奨は30〜80代)。海馬の萎縮は20・30代から始まるため、早いうちから海馬の変化を定期的に確認することをおすすめします。

Q. どのくらいの頻度で受けますか

A. 経年変化を見るため、年1回程度の受診が一般的です。

Q. 保険は使えますか

A. 予防目的のため自由診療で、全額自己負担です。医師が必要と判断した検査は保険適用となる場合があります。

Q. 痛みや被ばくはありますか

A. MRIは磁力を使うため被ばくはありません。痛みもありません。

参考文献

[※1] OECD Health Statistics 2023

関連記事

知ることから、はじめよう。

海馬の大きさは、MRIとAIで10〜15分で測れます。