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脳ドックの選び方。場所・コース・費用・読影体制の4つの基準

「脳ドック」と呼ばれるものには、頭部MRI・MRAだけを受ける検査と、それらを人間ドックに組み込んだ健診コースの2パターンがあります。まずこの違いを押さえたうえで、場所・コース内容・費用と助成金・医師と読影体制の4つの基準で受診先を比べていきます。

監修

東北大学加齢医学研究所 瀧靖之 教授(医師・医学博士)

公開・更新

2026.08.26 公開

医療機関の待合

1. 「脳ドック」には2つのパターンがある

脳ドックは「頭部MRI・MRA等を用いて脳に関係する疾患の診断や、疾患リスクの早期発見等を目的とする健康診断の一種」です(脳ドック学会)。ただし施設が「脳ドック」という名前で案内しているものは、実務上おおきく2つに分かれます。予約する前に、自分が申し込むのがどちらなのかを確認してください。

パターンA

頭部MRI・MRA中心の脳の検査

脳と脳血管の撮像が中心。所要時間は受付を含めて30分〜1時間程度、費用は2〜4万円程度が目安です。脳神経外科のあるクリニックや画像診断センターに多く、単発で受けやすい構成です。

パターンB

脳の検査を含む健診コース

人間ドックや生活習慣病健診に頭部MRI・MRAが組み込まれた形。血液検査、心電図、頸動脈エコー、胸部・腹部の検査などを含み、半日〜1日、5〜10万円程度になることがあります。総合病院や健診センターに多い構成です。

どちらが良いというものではなく、目的で選び分けます。脳の状態だけを定期的に見たいならパターンA、体全体をまとめて見たいならパターンBが合います。健康診断を職場で毎年受けている方は、重複する項目に費用を払うことになるため、脳の検査だけを切り出せるコースがあるかを確認すると無駄がありません。

なお、同じ「脳ドック」という名称でもMRAが含まれない、頸部の血管が対象外、といった差もあります。コース名ではなく検査項目の一覧で判断してください。

2. 基準1|場所と通いやすさ

脳ドックは1回受けて終わりではなく、年1回程度くり返して経年変化を見る検査です。前回と同じ施設・同じ装置で撮った画像は比較しやすく、変化の判断もしやすくなります。つまり「通い続けられるか」が最初の基準になります。

  • 自宅または職場から通える距離か:来年も同じ場所に行けるかを基準にします。
  • 受診できる曜日・時間:土曜や夕方の枠がある施設なら、仕事を休まずに受けられます。
  • 予約の取りやすさ:Web予約に対応しているか、希望日からどのくらい先まで埋まっているか。
  • 結果説明が当日か後日か:後日の場合は2回来院することになります。

3. 基準2|コース内容

基本になるのはMRIとMRAです。そこに何が足されているかが施設ごとの差になります。知りたいことに対応する項目が入っているかを見てください。

検査項目 分かること 扱い
頭部MRI 無症候性脳梗塞、脳腫瘍、脳の萎縮 ほぼ必ず基本
頭部MRA 脳動脈瘤、血管の閉塞・狭窄 基本。含まれない場合あり
頸部MRA・頸動脈エコー 脳に血液を送る首の動脈の狭窄 施設により基本/オプション
血液検査・血圧・心電図 動脈硬化のリスク、不整脈 健診コースに多い
海馬測定(BrainSuite) 海馬の大きさ、同性・同年齢との比較、経年変化予測 オプション/単独受診も可
認知機能検査 テストや口頭質問による認知機能の確認 オプション

疾患の有無を見る検査と、脳のパフォーマンスの変化を見る検査は別ものです。疾患が見つからなかったことと、脳が加齢による変化を受けていないことは同じではありません。両方を知りたい場合は、海馬測定などのオプションを付けられるコースを選びます。

あわせて読みたい:詳しくは脳ドックで分かること

4. 基準3|費用と助成金

脳ドックは予防目的の検査のため自由診療で、費用は施設が設定します。相場は2万〜10万円程度で、パターンAとパターンBの違いがそのまま金額差になっていることが多いです。表示価格に結果報告書の発行料や診察料が含まれるかは施設ごとに違うため、総額で比べてください。

自己負担を下げる方法は3つあります。

  • 自治体の助成:脳ドックの費用を一部助成している市区町村があります。対象年齢、対象施設、申請期限が決まっているため、受診先を決める前に確認します。
  • 健康保険組合・共済の補助:人間ドックや脳ドックの補助制度を持つ組合があります。指定施設のみ対象という条件が付く場合があります。
  • オプションのみの受診:フルコースではなく必要な検査だけを受ける方法です。海馬測定MRI検査「BrainSuite」を単独で受けられる電子チケットは19,800円(税込)でオンライン販売しています。

あわせて読みたい:詳しくは脳ドックの費用

5. 基準4|医師と読影体制

同じ装置で撮っても、画像を読む体制で分かることは変わります。脳ドックは画像を読む工程が結果そのものになる検査です。

  • 誰が読影するか:脳神経外科・脳神経内科の医師、放射線診断専門医が読影に関わっているか。施設サイトの医師紹介で確認できます。
  • 二重読影の有無:複数の医師が読む体制をとっている施設もあります。
  • 結果説明の形式:医師が対面で説明するか、報告書の郵送のみか。所見の意味を質問できる場では、次にどうするかまで持ち帰れます。
  • 見つかった後の道筋:治療が必要な所見が出たときに、その施設で診療を続けられるか、紹介先があるか。
  • MRI装置:磁場強度(1.5テスラ/3テスラ)、閉所が苦手な方向けのオープン型の有無。導入装置をサイトで公表している施設は多く、問い合わせでも確認できます。

あわせて読みたい:詳しくは脳のMRI検査とは

6. 予約前に確認するチェックリスト

MRIとMRAの両方が含まれているか
頸部の血管を見る検査が含まれるか、オプションか
表示価格に診察料・報告書発行料が含まれるか
自治体や健康保険組合の助成・補助の対象施設か
読影を担当する医師の専門は何か
結果説明は当日か後日か、対面か郵送か
所見が出たときの診療・紹介の体制があるか
海馬測定などのオプションを追加できるか

MRIは体内に一定の金属がある方は受けられません。心臓ペースメーカー、人工内耳、脳深部刺激術(DBS)・脊髄刺激療法(SCS)後など、該当する可能性がある方は予約時に必ず申し出てください。金属の材質が不明な場合も同様です。

7. よくある質問

Q. 総合病院とクリニック、どちらがいいですか

A. 体全体をまとめて見たい場合や、所見が出たときに同じ施設で診療を続けたい場合は総合病院・健診センターが向きます。脳の検査だけを短時間で定期的に受けたい場合はクリニックや画像診断センターが向きます。

Q. 毎回同じ施設で受けるべきですか

A. 同じ施設・同じ装置の画像は前回と比較しやすく、変化を追うのに適しています。転居などで変わる場合は、前回の画像や報告書を持参できるか新しい施設に確認してください。

Q. 職場の健康診断とは別に受ける必要がありますか

A. 通常の健康診断・人間ドックに脳の検査は含まれません。脳の状態を確認するには、脳の検査を含むコースを選ぶ必要があります。

Q. 費用が安い施設を選んで問題ありませんか

A. 価格差はコースに含まれる検査項目の数によることが多く、金額だけでは比較できません。検査項目、読影体制、結果説明の形式を合わせて見てください。

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