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記憶・認知機能を知る瞬間記憶(カメラアイ・映像記憶)とは、見たものを写真のように覚える記憶。学術的な位置づけ、成人での希少性、記憶の一般的なしくみとの関係、そして未解明な点を整理して解説します。
公開・更新
2025.01.29 公開 / 2026.08.23 更新
瞬間記憶は、目に映ったものを写真のように覚えられる記憶で、映像記憶とも呼ばれます。学術的にはビジュアライザーと呼ばれ、視覚情報の処理能力が非常に高いことが特徴です。問題解決能力や創造力の高さと結びつけて語られますが、成人ではほとんど確認されていません。
谷崎潤一郎、山下清、三島由紀夫などが持っていたとされ、発達障害(特に自閉症スペクトラム)のある方に見られる例も報告されています。2025年1〜3月に放送されたドラマ『アイシー 〜瞬間記憶捜査・柊班〜』でも取り上げられ、関心が高まりました。
瞬間記憶は50年以上前から論文で報告されてきました。「視覚イメージを非常に詳しく思い出せる。通常の残像とは異なり、目が動いても静止し、残像が消えた後も思い出せる」という記述が古くからあります。ただし、そのとき脳がどう働いているかは解明されていません。
一方、一般的な記憶のしくみは研究が進んでいます。記憶をつかさどるのは脳の「海馬」で、新しい情報はまず海馬に短期記憶として入ります。使われない情報は「忘れてよい情報」と判断されて消え、よく使う情報は大脳皮質へ移り長期記憶になります。
瞬間記憶のときに海馬などの働きが通常とどう違うのかは、まだわかっていません。
海馬は小指ほどの大きさで左右に一対。小さいため従来の脳ドックでは体積を測れませんでしたが、東北大学加齢医学研究所の20年以上の研究成果にもとづくAI解析により、MRI検査「BrainSuite」で測定できるようになりました。
海馬は認知機能の低下に先行して20・30代から萎縮が始まる一方、神経の生まれ変わりによって何歳からでも萎縮を抑え、大きくすることができます。
Q. 瞬間記憶は訓練で身につきますか
A. 訓練で獲得できるという科学的根拠は確認されていません。記憶力そのものは生活習慣で維持・向上が期待できます。
Q. 大人にもいますか
A. 成人ではほとんど確認されていません。
Q. 瞬間記憶と記憶力は同じですか
A. 別です。瞬間記憶は視覚情報の処理特性、記憶力は覚えて引き出す力を指します。