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ライフスタイル睡眠中、脳は情報を整理して記憶を定着させています。睡眠不足はストレスを増やし、記憶をつかさどる海馬の萎縮を加速させます。理想の睡眠時間には個人差がありますが、質を高める方法には共通点があります。
公開・更新
2024.10.10 公開 / 2026.08.23 更新
睡眠は単なる休息ではなく、体と脳をメンテナンスするプロセスです。睡眠中に脳は情報を整理し、記憶を定着させます[※1]。身体は細胞の修復と成長ホルモンの分泌を通じて疲労を回復させ、日中の活動に必要なエネルギーを取り戻します。
睡眠不足は短期的には海馬の活動に影響し、記憶力の低下を引き起こします[※2]。長期的には認知症のリスクを高めます[※3]。睡眠不足が蓄積して健康に深刻な影響を及ぼす「睡眠負債」という概念も注目されています。
睡眠不足によってストレスが増えると、海馬の萎縮リスクが高まります。海馬は認知機能の低下に先行して20・30代から萎縮が始まりますが[※4]、睡眠不足はその進行を加速させます。
睡眠時間を十分にとっている子どもは、短い子どもに比べて海馬の体積が大きいことがわかっています[※5]。海馬の体積が大きいことは、その後の人生でいくつかの病気を回避するうえでも重要である可能性があり、子どもの頃の十分な睡眠が健やかな脳の発達を促すと考えられます。
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成人が必要とする睡眠時間は一般に6〜8時間とされますが、個人差があります。自分にとっての理想を見つけるには、睡眠と体調・パフォーマンスの関係に注目してください。
スマートウォッチで睡眠データをトラッキングする方法があります。睡眠中の心拍変動の度合いが低いほど、また皮膚温の下がる度合いが大きいほど、自律神経が乱れてストレスや疲れが溜まっている可能性が高いと考えられます。この場合、より十分な睡眠が必要な状態です。
疲れやストレスの多い日に、十分な睡眠の質やスコアが取れているか。これを確認していくことが、自分に必要な睡眠量を知る手がかりになります。
| 体 | 脳 | 役割 | |
|---|---|---|---|
| レム睡眠 | 休息状態 | 活動(思考の整理・記憶の定着) | 脳の発達、精神的な安定 |
| ノンレム睡眠 | 寝返り・体組織の修復 | 休息状態 | 成長ホルモンの分泌、疲労回復 |
睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠を90〜120分で交互に繰り返します。レム睡眠の効果を得るには、一晩で4〜5回のサイクルを繰り返せる6〜8時間の睡眠時間が理想的とされます。
また、睡眠の深さは入眠から徐々に浅くなるため、最初の90分で深いノンレム睡眠をとることが、睡眠の質を大きく左右します。
海馬は認知機能の低下に先行して20・30代から萎縮が始まる一方、神経の生まれ変わりによって萎縮を抑え、大きくすることもできる部位です。つまり海馬の大きさは、脳の健康状態を映す指標になります。
睡眠不足によりストレスが増えると、海馬の神経新生が抑制されます。海馬測定MRI検査「BrainSuite」では、東北大学加齢医学研究所の研究成果にもとづくAI画像解析により、従来の脳ドックでは測れなかった健康なうちからの海馬の大きさを計測し、同性・同年齢との比較で確認できます。
※海馬の状態には睡眠やストレスのほか、運動習慣や食事などの生活習慣が影響し、個人差があります。
Q. 何時間眠れば十分ですか
A. 一般に6〜8時間とされますが個人差があります。日中のパフォーマンスを基準に、自分の必要量を見つけてください。
Q. 寝だめで取り返せますか
A. 睡眠負債は蓄積するもので、休日の寝だめで完全には解消されないと考えられています。
Q. 短時間でも質が高ければよいですか
A. 質と量の両方が必要です。レム睡眠のサイクルを4〜5回繰り返すには相応の時間が要ります。
Q. 寝る前のスマホはなぜだめですか
A. 光の刺激が入眠を妨げます。就寝1時間前からは見ないことをおすすめします。
[※1] Axmacher, N. et al. Cellular and Molecular Life Sciences 66,14 (2009): 2285-97.
[※2] Yoo, S-S. et al. Nature Neuroscience 10,3 (2007): 385-92.
[※3] Sabia, S. et al. Nature Communications 12,1 2289 (2021).
[※4] Raz, N. et al. Cerebral Cortex 15,11 (2005): 1676-89.
[※5] Taki, Y. et al. NeuroImage 60,1 (2012): 471-5.