目次
●脳ドックとは
・脳ドックの概要
・脳ドックの検査内容
●脳ドックの流れ
●脳ドックを受けた方がいいケース
・健康診断で基準値を外れた項目が多い
・ストレスが多い
・強い頭痛がある
・脳卒中・認知症の家族歴がある
●脳ドック受診者の声
●脳ドックを受けるために必要な時間
●脳ドックの費用
・脳ドックの補助金・助成金
●脳ドックの選び方
・病院・クリニックの場所
・受診のしやすさ
・MRI
●最後に
脳ドックとは、脳ドック学会のウェブサイトによると「頭部MRI・MRA等を用いて脳に関係する疾患の診断や、疾患リスクの早期発見等を目的とする健康診断の一種」とされています。
通常、人間ドックでは脳の検査は網羅されておらず、脳の状態を詳しく調べるためには脳ドックが必要になります。
「脳血管疾患」は日本人の死因としては4番目の多さとなっており、2021年の脳血管疾患による死亡者数は10万4,595人にのぼります(2022年9月 厚生労働省「令和3年(2021)人口動態統計」)。脳血管疾患を発症する人は年間29万人以上と言われており、発症した人のうち、約3人に1人は亡くなっていると言える疾患です。
また、寝たきりになってしまう病気としては最多となっており、介護が必要になる病気としても2番目に多いと言われています。
脳血管疾患は突然発症することが多く、死に繋がることが多い疾患です。助かったとしても介護が必要になる等、自身や家族の生活に支障が出ることも少なくないため、定期的な脳ドックで予防していくことが重要であると言えるでしょう。
具体的な検査項目やその重要性について、詳しく解説していきます。
脳ドックには様々な検査項目が含まれており、MRI・MRA、CTスキャン等で脳の状態を把握します。
脳ドックは、病院・クリニックによって、また、選ぶコースによっても、検査できる項目が異なりますので、気になる項目、知りたい内容に合わせて、コースを選ぶことができます。一般的に、基本コースにMRI・MRAが含まれており、オプションで検査内容を追加することができる病院・クリニックが多いといえるでしょう。
これらの検査により、以下のような症状や異常がないかを調べることができます。
注意点として、 脳ドックでは一般的にMRI検査を行いますので、心臓ペースメーカーや人工内耳、脳深部刺激術(DBS)・脊髄刺激療法術(SCS)後である等、体内に一定の金属が残っている方は、MRI検査を受けることができません。
また、金属の材質が不明な場合や、金属を含むメイクやネイルのある場合にも、検査を受けられないことがあります。詳しくは、受診される病院・クリニックにご確認ください。
下記に当てはまる項目がある方は、脳ドックを受けた方が良いと言えるでしょう。脳ドックの受診ができるタイミングに、ぜひ一度受けてみてはいかがでしょうか。
脳の健康には生活習慣が影響します。健康診断で基準値を外れた項目が多い方、特に、脂質異常症の方、肥満気味の方、高血圧の方、糖尿病の方、喫煙習慣のある方、お酒をたくさん飲む方は、脳ドックを受けた方が良いと考えられます。
ご参考)認知症対策に。生活習慣の予防行動10選
ストレスは海馬の萎縮リスクを高めます。
ご参考)海馬とは?!記憶をつかさどる脳の海馬について徹底解説
脳ドックを受けることで頭痛の原因を調べることができるほか、脳に異常がないかを早期に調べることができます。
脳卒中・認知症には、生活習慣のほか、遺伝的要因が関与するとされています。
実際に脳ドックを受診したことのある方々に、「脳ドックを受けようと思った理由・きっかけ」についてアンケートを行いました。
株式会社CogSmart調べ
脳ドックでは、普段見ることのできない脳の状態を見ることができます。
脳の病気は自覚症状が出にくいからこそ、異常がないかどうかを定期的に確認することが重要です。早期に病気や症状を発見することで、必要な対応・早期予防行動をとれる可能性が高まります。
また、従来では計測の難しかった、健康なうちからの海馬の微細な萎縮度合いをAIで計測できるオプションも出てきており、より早期からの予防行動・生活習慣改善につなげることもできるようになっています。
記憶をつかさどる「海馬」は、脳の老化に最も先行して30代より萎縮が始まります。小指程度の大きさしかないため、通常のMRIと医師の目視確認だけではその微細な萎縮を判別することは難しいとされてきました。そのため、通常の脳ドックで分かるのは疾病の有無であり、海馬の萎縮度合いが計測できるわけではありませんでした。
脳ドックを受けるために必要な時間は、一般的に1~3時間程度です。ただし、人間ドックを含むコースでは1日かかることもあります。
具体的な時間は、検査内容や病院・クリニックによっても異なりますので、直接お問い合わせする等して確認しておくと良いでしょう。
脳ドックのオプションだけを切り出して受けることができるものもあり、この場合、より短時間で受けることのできる場合があります。
脳ドックの費用は、検査内容や病院・クリニックによっても異なります。一般的なコースであっても2~10万円程度と幅があります。
具体的な費用についても、やはり直接お問い合わせする等して確認しておくと良いでしょう。
脳ドックのオプションだけを切り出して受けることができるものもあり、この場合、より低単価で受けることのできる場合があります。
脳ドックは予防的な検査になるため、基本的には「自由診療」に該当します。しかし、健康保険組合や自治体によっては、脳ドックに1~3万円程の補助金・助成金を出しているところもあります。
加入されている健康保険組合や、お住まいの自治体のWEBサイト等でご確認いただけますので、助成がある方はぜひ活用しましょう。
ご参考)助成金を利用してBrainSuiteの検査を受けることができる病院・クリニック一覧
総合病院や健康診断センター、脳神経外科のあるクリニック等で、脳ドックは受診することができます。
脳ドックは、健康診断や人間ドックと同様に、定期的に受けることで経年の変化を見ることができます。そのため、病院・クリニックを選ぶ際は「今後も継続して通うことができる施設」であることも、重要と言えるでしょう。下記の項目もぜひご参照いただき、脳ドックの受診先を探してみてください。
定期的に脳ドックを受けるためには、気軽に通える場所にあることも大切です。ご自宅や職場近くの病院・クリニックであれば、継続して受診しやすいでしょう。
施設の雰囲気やスタッフの対応も、継続して脳ドックを受診するためのポイントと言えるでしょう。また、平日の受診が難しい方は、週末も検査できる施設であれば、より受診のハードルが下がるでしょう。
一般的な脳ドックでは、MRI検査が必要です。閉所恐怖症の方の場合、通常のMRIでは受診が難しい可能性もありますが、オープン型のMRIを導入している病院・クリニックもあります。
どのようなMRIを導入しているかが、施設を選ぶ際のポイントになる方もいるでしょう。
■北海道・東北地方のBrainSuite提携施設一覧
■関東地方のBrainSuite提携施設一覧
■中部地方のBrainSuite提携施設一覧
■関西地方のBrainSuite提携施設一覧
■中国・四国地方のBrainSuite提携施設一覧
■九州・沖縄地方のBrainSuite提携施設一覧
参考文献
[※1]OECD Health Statistics 2023