海馬とは

海馬は記憶をつかさどる脳の部位

海馬とは、記憶をつかさどる脳の部位で、脳に記憶を保持するための役割を果たしています。記憶はまず海馬に短期記憶として保存され、その後、大脳皮質に移動して長期記憶として保存されます。
新しく覚えたことは、普段から使っていないと忘れてしまいますが、これは、海馬が忘れてもよい情報と認識することで、人は忘れるとされています。

海馬は記憶力や集中力などの認知機能の低下に先行して20・30代より萎縮が始まる一方、海馬は神経の生まれ変わり(神経新生)によって、何歳になっても萎縮を抑え、大きくすることもできる部位であることが分かっています。
海馬が健康に保たれていることで記憶力・学習能力・判断力などの向上が見込まれますが、海馬の萎縮が進むと認知機能の低下や認知症リスクが高まります。

特に生活習慣の良し悪しを海馬は敏感に察知し、増大や萎縮といった変化として反応が出ると言われています。
海馬に良い生活習慣は、運動習慣、バランスの良い食事、十分な睡眠、楽しく会話をすること、知的好奇心をもって物事に取り組むことなどです。その一方で、海馬の萎縮要因となる生活習慣は、過度なストレス、睡眠不足、過度のアルコール摂取、喫煙などです。

海馬はどこにあり、どのくらいの大きさですか?

海馬は大脳側頭葉の内側部にあり、タツノオトシゴのような形をしています。左右に一対ずつあり、それぞれ小指ほどの大きさです。
小指ほどの大きさしかないので、20・30代より少しずつ萎縮が進んだとしても通常のMRIと医師の目視確認だけで判別することはできませんでしたが、東北⼤学加齢医学研究所の開発したAI画像解析技術に基づき、健康なうちからの海馬の大きさを測ることができるようになりました。海馬の大きさを測ることで、脳の健康度合いを確認することができます。 

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