高血圧・いびきへの対策と、海馬の萎縮を抑えるための予防行動に共通することとは

高血圧・いびきと海馬

記憶をつかさどる脳の海馬は、認知機能の低下に先行して20・30代より萎縮が始まりますが、生活習慣の見直しにより、神経が生まれ変わることで萎縮を抑え、大きくすることもできることが分かっています。
CogSmartでは「脳からはじめるヘルスケア」をコンセプトに、海馬検査「BrainSuite」や海馬育成アプリ「BrainUp」を提供しています。

本記事では「高血圧といびきの内科 神保町駅前」の医師である、鎌形博展先生(以下、鎌形先生)に、「高血圧・いびきへの対策」についてお話しを伺いながら、「海馬の萎縮を抑えるための予防行動」と共通することについて解説していきます。

目次
1. 高血圧・いびきに着目した理由
2. 高血圧・いびきで気をつけた方がいいこと
3. 高血圧・いびきへの対策と、海馬の萎縮を抑えるための予防行動との共通点

記事公開日:2025年3月25日
最新更新日:2025年3月25日

1. 高血圧・いびきに着目した理由

●CogSmart
「高血圧といびきの内科」ということですが、高血圧・いびきに着目したのはどのような考えからですか?

●鎌形先生
高血圧は、健康診断などで測りますよね。数値が悪くて放置している方も多いかと思いますが、何らかの病気が原因で高血圧になっている方もいます。

実は、血圧が高くなるのは、精神的・肉体的ストレスが影響しているのです。強いストレスを感じると交感神経が活発になり血圧が高まります。この状態が続くと、高血圧のリスクが高まります。

高血圧にはストレスの他に、食事・運動・睡眠などの生活習慣も影響しますが、はじめは症状がありません。

高血圧リスクの要因

いびきをかく方も多いと思いますが、いびきをかく人には、多かれ少なかれ無呼吸があることも多いです。

この際に、低酸素になると身体に負担がかかります。いびきをかいているというだけでなく、無呼吸とそれに伴う低酸素が重症かどうか、というところが、ただのいびきか、睡眠時無呼吸症候群か、という違いになりますが、睡眠中は意識がありませんので、自分で気付くことはなかなかできないかと思います。

睡眠時無呼吸症候群は、高血圧の要因の1つです。 

睡眠時無呼吸症候群といびきの違い

高血圧になると、血管が傷みます。この状態が続くと、脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高まります。

●CogSmart
血管が傷んでしまうような不健康な生活習慣は、海馬の萎縮を促進させる要因にもなります。

生活習慣の乱れは、体にも脳にも良くないですね。

不健康な生活習慣と海馬

●鎌形先生
高血圧・睡眠時無呼吸症候群ともに、症状が重くなってから病院・クリニックに行くのではなく、実はその前から相談することで、対策・予防ができるのですが、このことを知らない方が多いと感じています。
高血圧・いびきの内科があることで「相談することができる」と知っていただければと考えています。

●CogSmart
睡眠の質が低下すると、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が多くなり、海馬の萎縮につながります。このため、睡眠時無呼吸症候群は海馬の萎縮にもつながる可能性があるとも言えるのですね。
「いびき」という身近な症状から気軽にできる相談が、結果的に睡眠時無呼吸症候群や高血圧、海馬の萎縮への予防につながるという点が、とても良いですね。

来院する方にはどのような方が多いのですか?

●鎌形先生
年代としては30代~50代の働き盛りの世代が多く、クリニックのある神保町という場所の特性もあり、お昼休みや仕事帰りに来院される方も多いです。

いびきについては、家族に指摘されて来院したという方も多いです。
また、健康診断の結果が悪く、また、身の回りで心筋梗塞で倒れた方が近くにいて、そうしたことがきっかけで来院される方もいます。

受診するきっかけをつくるためにも、「相談できる」という気付きを提供していく必要があります。

高血圧といびきの内科

2. 高血圧・いびきで気をつけた方がいいこと

●CogSmart
症状がなかったり、自分では気付きにくい中でこのようなリスクが高まる、ということですが、こういう傾向の方は気をつけた方が良い、ということはありますか?

●鎌形先生
睡眠時無呼吸症候群については、疑わしい状況としてはこちらのようなことが挙げられます。

・熟眠感のなさ
・日中の抗えない強い眠気
・頭痛
・身体的特徴(肥満、顔が小さい、顎が小さい、べろが大きいなど)

気になる方はこちらのチェック表をご確認ください。

眠気チェック

高血圧については、健康診断で基準値を超えていた場合には生活習慣を見直すことが大事です。

しっかりとした睡眠、バランスのとれた食事、運動習慣、お酒を飲み過ぎない、禁煙、ストレスを解消、などの生活習慣は、良い場合でも悪い場合でも、足し算というよりは掛け算のイメージです。もし、課題がある場合、放置することでそのリスクは高まります。

生活習慣は掛け算

来院される方には、生活習慣の改善をお話しすることも多く、その方の性格や好み、状況にあわせてお話しをしています。

●CogSmart
初診からその後までどのように診療サービスを提供しているのですか?

●鎌形先生
最初は問診票にしたがってお話しを伺って検査をします。もし大病院の紹介が必要な場合は紹介状を書きますし、治療を始めたり、お薬を出したり、とその方の状態に合わせて進めていきます。

生活習慣改善のお話しの際に、漢方やサプリ、肥満の方向けの相談も受けることがあります。こうした相談に対しても対応しています。

初診15分、再診5分ほどですので、ぜひ気軽にご利用いただければと思います。 

3. 高血圧・いびきへの対策と、海馬の萎縮を抑えるための予防行動との共通点

●CogSmart
海馬は20・30代より萎縮が始まりますが、萎縮が進むか抑えることができるかも、生活習慣が鍵を握っていますので、高血圧・いびきの対策として重要な「生活習慣を整えること」は、体にも脳にも良いと言えますね。 

加齢と海馬の萎縮

●鎌形先生
その通りですね。生活習慣病予防としては、先ほどお話しをしたような睡眠・食事・運動などの他、よく外出して人とコミュニケーションをすることも大事で、これは海馬を含めた脳の健康にとっても大事で、認知症の対策にもなります。

●CogSmart
当社も海馬の大きさをAIで測ることのできるMRI検査「BrainSuite」を提供していますが、検査後に海馬育成サポートツール「MyBrain」より、生活習慣見直しのための情報やきっかけを提供しています。また、海馬育成アプリ「BrainUp」も提供を開始しました。
こうしたサービスを通して、誰もが生涯健康脳を実現できる社会を目指していければと考えています。

海馬育成ツール「MyBrain」

●鎌形先生
私自身も「高血圧といびきの内科」で医師として働いていますが、「医療業界の課題解決」のために、株式会社ENという会社も2023年に立ち上げました。

いずれも「社会にとって良いこと」を一つのコンセプトにして進めています。みんなが幸せになれることを進めていくことができればと考えています。

インタビューにご協力いただいた鎌形先生について

鎌形 博展

医療法人社団季邦会 理事長・株式会社EN 代表取締役兼CEO
社会医学系専門医指導医

株式会社EN
https://www.med-pro.jp/en/

高血圧といびきの内科 神保町駅前
https://wellness.or.jp/

街のクリニック立川・村山
https://www.tamagawa-josui.com/

街のクリニック日野・八王子
https://www.machino-clinic.com/

びやじま内科医院 大島駅前
https://www.clinic-ojima.com/

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1. ​測る

10分程のMRI撮像で、記憶をつかさどる海馬の大きさを測ります。​海馬は20・30代より萎縮が始まると言われています。

2. 解析する

東北⼤学加齢医学研究所の開発したAI画像解析技術により、これまでは分からなかった健康なうちからの海⾺の大きさを解析します。

3. 理解する

海馬体積やその同性・同年齢比較、経年変化予測等をレポートします。医師や看護師による生活習慣改善アドバイスも受けられます。

4. 育成する

海馬は神経の生まれ変わりによって、何歳になっても萎縮を抑え、大きくすることもできることが分かっています。