脳梗塞・脳動脈瘤・脳腫瘍などの脳の病気は自覚症状が出にくい一方で、突然発症することが多く、死に繋がることが多い疾患です。
自覚症状が出にくいからこそ、脳ドックで異常や病気の兆候がないかを定期的に確認し、予防していくことが重要です。
脳ドックは一般的なコースで2~10万円程度(検査内容や病院・クリニックによって異なります)かかります。予防を目的としているため保険の適用外となり、全て自己負担となる「自由診療(※)」です。
このため、「脳ドックを受けて後悔したくない」と思う方も多いのではないでしょうか。本記事では、脳ドックで後悔しないためのポイントを解説します。
※症状がある場合など、医師が必要と判断した検査の場合、保険適用で脳ドック同様の検査を受けられる場合があります。
目次
●脳ドックで分かることを、正しく理解する
●目的に合わせたコースやオプションを選ぶ
●脳ドックの注意事項を事前に確認する
記事公開日:2025年1月8日
最終更新日:2025年1月8日
2020年に当社が行ったアンケート調査では、MRI検査で発見できると考える疾患等として「脳の萎縮」と回答した人が、49.5%にのぼりました。
MRI検査を利用する脳ドックでは、脳梗塞・脳動脈瘤・脳腫瘍などの病気を見つけることができるため、病気の兆候を早期に発見することができます。
しかし、オプション等のない通常の脳ドックでは、脳の萎縮(脳の小さな萎縮の兆候)を見つけることは、非常に難しいといえます。
つまり、MRI検査で発見できると考える疾患等として「脳の萎縮」という回答が多かったという結果は、「多くの方が脳ドックを正しく理解していない」と言えるでしょう。
このような誤解をしたまま脳ドックを受診すると、本来であれば嬉しいはずの「異常所見なし」の結果に、少しご不安・ご不満を感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
脳ドックを受ける場合、目的に合わせて最適なコースやオプションを選ぶことが大切です。
例えば、認知機能の低下に先行して20・30代より萎縮が始まる「海馬」を測定する検査に、BrainSuite検査(ブレインスイート検査)があります。
従来のMRI検査や医師の目視だけでは計測できなかった、健康なうちからの海馬の萎縮度合いの計測ができる、東北大学加齢医学研究所が開発したAIによる検査です。
※関連サイト:
BrainSuite(ブレインスイート)公式サイト
海馬は神経の生まれ変わりによって、何歳になっても萎縮を抑えたり、大きくすることもできることが分かっています。良い生活習慣は海馬の神経の生まれ変わりを促すことも分かっているので、検査でご自身の海馬の大きさを知ることで、日々の行動を見直すきっかけにもなるでしょう。
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海馬とは?!記憶をつかさどる脳の海馬について徹底解説
脳ドックには、基本コースに加えて様々なオプション検査があり、目的に合わせて組み合わせることができます。「現在の身体の状態を知るために」「将来の病気を予防するために」、目的に合わせてオプション検査を活用してみましょう。
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脳ドックで分かること。あなたの健康を守るための「脳の健康診断」
脳ドックで使用するMRI検査は強力な磁力を用いるため、下記の項目に該当する方は、受診できない場合があります。事前に確認しておきましょう。
・心臓ペースメーカー、除細動器、剌激電極などが埋め込まれている方
・脳動脈瘤クリップや人工関節など、金属が体内に埋め込まれている方
・妊娠している方、又は妊娠している可能性がある方
・化粧品・カラーコンタクト・まつげエクステ・ネイルアート・白髪染めスプレー・増毛パウダー・剌青・アートメイクのある方
・閉所恐怖症の方
・実際に検査を受けられる病院やクリニックが定める禁忌事項に該当する方
※服用中の薬がある方はかかりつけ医にご相談いただき、指示に従ってください。
以上のように、脳ドックで分かることを正しく理解した上で、目的に合わせたコースやオプションを選び、注意事項を事前に確認することが、脳ドックで後悔しないためのポイントと言えるでしょう。
脳梗塞・脳動脈瘤・脳腫瘍などの脳の病気は自覚症状が出にくい一方で、突然発症することが多く、死に繋がることが多い疾患です。
自覚症状が出にくいからこそ、脳ドックで異常がないか、定期的に確認することが重要です。早期に病気やその兆候を発見することで、必要な対応や、早期予防行動をとれる可能性が高まります。
また、脳ドックを受診する貴重な機会ですので、萎縮度合いなど、ご自身の知りたい項目に合ったオプション検査を組み合わせてみてはいかがでしょうか。