好奇心を持って物事に取り組むことは、海馬の萎縮を抑え、脳の健康につながることがわかっています。
この記事では、好奇心を持つときの脳の動きと、何歳になっても脳が成長するための好奇心の持ち方について解説します。
目次
1. 好奇心と、脳の健康
好奇心は、海馬を刺激する
好奇心を持つことで、脳の可塑性を高める
好奇心を持つことで、結晶性知能を高める
2. 好奇心を持つための実践方法
好奇心を持つには、楽しむことが一番
日常生活に好奇心を取り入れる
3. 好奇心を持つことで刺激される海馬は、AIで測れる
記事公開日:2025年2月20日
最新更新日:2025年2月20日
好奇心とは「自分が知らない何かについて知りたい、という心や気持ち」と定義されています。この好奇心が、「ドーパミン」という神経伝達物質を発生させます。
この結果、脳の中にある「側頭葉」という部位の内側にある「扁桃体」という神経細胞の集まりが記憶をつかさどる「海馬」という部位が刺激され、記憶力の向上に繋がります。
好奇心を持つことで、海馬が刺激されると、海馬の神経の生まれ変わりが促進されます。
実は、海馬は何歳になっても脳の中で神経の生まれ変わりが起きる代表的な部位なのです。そして、生活習慣によって、その萎縮を抑えたり、大きくすることもできます。
また、好奇心を持つことは、脳内の情報伝達ネットワークの強化につながります。たとえ記憶力などの認知機能が低下したとしても、脳はこの「脳内の情報伝達ネットワークの強化」によって、低下を回復・維持することができる構造になっています。
つまり、好奇心を持つこと自体が、脳に良い影響を与えると言えるでしょう。
脳には「可塑性(かそせい)」と呼ばれる性質があります。外からの刺激によって、脳が機能的・構造的に変化する性質のことです。
この「可塑性」があるからこそ、何歳になっても脳は働きを向上し続けることができます。若い頃より時間はかかるかもしれませんが、年齢を重ねても、脳は成長を続けることができるのです。
そして、好奇心を持って新しいことに取り組むと、脳の可塑性が高まることが分かっています。また、好奇心を持って楽しむことは、ストレスの軽減にもつながります。
これら「脳の可塑性を高めること」「ストレスを軽減すること」が、海馬の萎縮を抑え、脳の健康維持へとつながります。
経験や学習によって獲得する知能は「結晶性知能」と呼ばれています。知識や言語能力などが、この「結晶性知能」と言われるものになります。
結晶性知能は「70歳ごろまで伸び続けた後に、ゆるやかに低下する」ということが分かっており、高齢になっても高い状態を保つことができると考えられています。
「100 歳以上の方々の方が、60〜84 歳の方々と比べて、男女ともに、知的好奇心が強かった」という研究もあるほどです。
外国語を身に付ける、これまでしたことのない趣味を始めてみるなど、好奇心を持って新たな知識を学ぶことは、この「結晶性知能」を高めていくことができると言えるでしょう。
好奇心を持って物事に取り組むためには、楽しんで続けられることが一番です。
新しく始めてみたい、というものが見つかったら、まずは一歩踏み出してみましょう。
新しいことを始めるのはハードルが高いと思われる方は、「昔していたけれど、今はしていないこと」を再開してみてはいかがでしょうか。例えば、ピアノやギターなどの楽器、囲碁・将棋・麻雀などのゲーム、子どもや学生の頃にしていたことでも良いでしょう。
学生時代に、音楽・美術・科学・文学創作・演劇・スポーツなどの部活やサークルに入っていたのであれば、当時のことを思い出しながら少しずつ再開してみる、ということも、脳に良い刺激を与えます。
音楽や映画鑑賞、読書、自動車や車いじりなどの趣味も好奇心につながります。
ぜひ、楽しんで取り組むことができること、そしてその時間を、大事にしてください。
好奇心を高める方法として、「疑問を感じたことや、関心が持てることに目を向けてみる」という習慣があります。
この「目を向ける」という行動を繰り返すことが、好奇心を高めていくことにつながります。
毎日歩く道や、いつも何気なく行っている習慣、見慣れた風景の中にも、好奇心を持って見てみると、新しい発見や楽しさ、これまで見落としていた気付きがあるかもしれません。
このように、好奇心を持ち続けられる習慣を持つことは、海馬の神経の生まれ変わりを促進し、また、脳の「可塑性」(かそせい)によって何歳になっても脳の働きを向上させることができます
記憶をつかさどる「海馬」という部位は、小指ほどの大きさで脳の左右に一対ずつあります。とても小さく、従来の脳ドックでは測定することが出来ませんでした。
海馬検査「BrainSuite」(ブレインスイート)では、東北大学加齢医学研究所の20年以上の研究成果に基づくAI測定により、海馬の大きさを健康なうちから測定することができます。
ぜひ、海馬の大きさを測ってみてはいかがでしょうか。
関連サイト:「BrainSuite」(ブレインスイート)
何歳になっても「自分が知らない何かについて知りたい」という気持ちを持つことで、脳は成長します。
そのためのポイントは、趣味や学びを「楽しむこと」。
そして、ふとした日常生活のなかでも「疑問や関心を持つこと」です。
楽しんで取り組めることから、はじめてみてはいかがでしょうか。