脳にいい食べ物と、海馬の萎縮を抑える食事のとり方について解説します。
脳のパフォーマンスを高めたり、血糖値の急激な変動を抑えたりするための食事の工夫や、コンビニで買える「脳にいい食材」などの情報も含めてお届けします。
目次
1. バランスの取れた食事が脳に重要な理由
2. 脳のパフォーマンスを高める食事のとり方
3. 忙しい人でもできる脳にいい食事の工夫
4. 簡単に作れる脳に良いレシピ
5. 超加工食品には気を付ける
6. 海馬の大きさから脳の健康を確認する
記事公開日:2024年10月17日
最新更新日:2024年10月18日
人の脳は、1日に消費するエネルギー量の20%を消費していると言われています。多くのエネルギーを必要とする脳に、糖質(ブドウ糖)以外の栄養素を供給することで、脳の機能を維持することができます。
「これを食べたら大丈夫」という特定の食べ物はありませんが、日本食や地中海料理は多品目で、栄養バランスが良いとされています。
糖質、タンパク質、脂質といった三大栄養素に加え、ビタミン、ミネラル、食物繊維を摂取するなど、「食品摂取の多様性」を意識して食材選びをしましょう。
地中海食と和食は、バランスの取れた食事の代表例として知られています。
地中海食は、オリーブオイル、魚、ナッツ、果物、野菜、全粒穀物を中心とした食事で、抗酸化物質やオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。
一方、和食は、魚、野菜、豆腐、海藻、発酵食品(味噌や納豆)などを中心とした食事で、栄養バランスが良く、脳に必要な栄養素を効率よく摂取することができます。
朝食を食べる人と食べない人では、脳の活動に差があることが分かっています。脳の力を最大限に発揮したい方は、朝食を食べる習慣を身に付けると良いでしょう。
朝食を食べない人の多くは、前日の夕飯から食事をしていないことになります。人は眠っている間にもエネルギーを消費しているため、朝起きた時にはエネルギーが不足している状態になります。
朝食を食べず、エネルギーが不足した状態では、脳に十分なエネルギーを送り込めなくなり、疲労感、集中力の低下、イライラといった症状が出やすくなります。
なお、午前中から脳を最大限働かせるためには、朝食の内容が糖質(ご飯やパン、麺類等)のみでは不十分だということが分かっています。
タンパク質、ビタミン、不飽和脂肪酸を一緒にとると、より脳が活性化して、思考力や集中力のアップが期待できると言われています。タンパク質は肉類・魚介類・卵類・大豆製品・乳製品など、ビタミンは旬の野菜や果物など、不飽和脂肪酸は魚類やオリーブオイルなどに多く含まれています。
朝食でもバランスの取れた食事をとることで、脳のパフォーマンスをより高めることができると考えられます。
ベジタブルファースト(野菜から食べ始めること)が血糖値の急激な変動を抑えることにつながります。
栄養バランスを考えて野菜をしっかりと用意し、野菜から食べ始める、ということを意識することで、脳にも体にも良い形で食事をとることができると言えるでしょう。
コンビニエンスストアではお手軽に食材を手に入れることができます。
食材の選び方によっては脳に良い食事をすることも可能です。例えば、サバ缶、ナッツ、サラダチキン、ヨーグルト、フルーツなどは、脳に良い栄養素が含まれており、手軽に摂取できます。
特に、サバ缶とナッツは脳に良いと言われています。
また、野菜サラダやスムージーもおすすめです。
これらの食品を選ぶことで、忙しい中でも脳の健康を意識して食事をとることができます。
忙しい人でも簡単に作れる脳に良いレシピをいくつか紹介します。
例えば、野菜たっぷりのスープやサラダ、魚介類を使った簡単なグリル料理、ナッツやシードを使ったスムージーなどは、短時間で作ることができ、栄養バランスも良いです。
これらの料理を日常的に取り入れることで、忙しい中でも脳の健康をサポートすることができます。
一方、コンビニエンスストアでの超加工食品(カップ麺、菓子パン、冷凍食品といった、加工の度合いが高い食品)は、カロリーが高い割に栄養素が偏っていると言われています。
栄養成分としては、健康の悪化につながってしまうような飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、精製された炭水化物、食品添加物の使用や、食物繊維の不足といった問題点が挙げられます。また、塩分が多くなってしまうことも考えられます。
超加工食品のとりすぎなどで栄養に偏りがあると、記憶力などの認知機能の低下リスクを高める要因にもつながると言われており、注意する必要があるでしょう。
※関連記事:
認知症対策に。予防行動を意識した生活習慣で海馬の萎縮を抑える方法とは
記憶をつかさどる「海馬」の大きさを測る検査「BrainSuite(ブレインスイート)」では、これまで測定することができなかった、健康なうちからの海馬の大きさを、東北大学加齢医学研究所の研究成果に基づいたAI画像解析技術により測定します。
※関連サイト:
BrainSuite(ブレインスイート)公式サイト
海馬は脳の老化に先行して30代より萎縮が始まる一方で、脳の中で唯一、神経新生が起き、萎縮を抑えることができ、そして大きくすることもできる部位です。
海馬の萎縮が進むか、あるいは萎縮を抑えることができるかどうかについては、食事や運動・睡眠などの生活習慣が大きな鍵になります。
このため、海馬の大きさを測ることで、脳の健康状態をみることができ、生活習慣を見直すための気づきを得ることができます。
BrainSuiteの結果レポートでは、現在の生活習慣が海馬に与えている影響を、海馬の大きさや同性・同年齢との比較レポートにより確認することができます(※)。
海馬の大きさより脳の健康状態を確認し、この検査結果を踏まえて、食事のとり方に気をつけていくことができます。
※海馬の状態には食事の他、運動習慣や睡眠・食事などの生活習慣の影響があり、個人差があります。
※関連記事:
海馬とは?!記憶をつかさどる脳の海馬について徹底解説
美味しい食事を楽しむことは、人生の喜びでもあります。
そして、食事はあなたの体そのものを作り、脳の健康やパフォーマンスにも影響します。
本記事を参考にしていただき、栄養バランスの取れた食事をとれるように工夫してみてはいかがでしょうか。