目次
● 脳ドックとは
・ 脳ドックの目的は「早期予防・早期発見」
・ 脳ドックの検査内容
●
脳ドックを受けた方がいいケース
●
脳ドック受診者の声
●脳ドックで海馬の大きさを測ることで、予防につなげる
● 脳ドックを受けるために必要な時間は1~3時間程度
● 脳ドックの流れ
●
脳ドックの費用は2万円~10万円程度
●
脳ドックの選び方は「場所・コース・MRI」
●脳ドックを受けることのできるBrainSuite提携施設一覧
記事公開日:2024年5月29日
最終更新日:2024年10月24日
脳ドックとは、脳ドック学会のウェブサイトによると「頭部MRI・MRA等を用いて脳に関係する疾患の診断や、疾患リスクの早期発見等を目的とする健康診断の一種」とされています。
「脳血管疾患」を含む脳の病気は自覚症状が出にくい一方で、突然発症することが多く、死に繋がることが多い疾患です。
「脳血管疾患」は日本人の死因としては4番目の多さとなっており、2021年の脳血管疾患による死亡者数は10万4,595人にのぼります(2022年9月 厚生労働省「令和3年(2021)人口動態統計」)。脳血管疾患を発症する人は年間29万人以上と言われていますので、発症した人のうち、約3人に1人は亡くなっていると言える疾患です。
また、寝たきりになってしまう病気としては最多で、介護が必要になる病気としても2番目に多いと言われており、ご自身や家族の生活に支障が出ることも少なくありません。
このため、「早期予防・早期発見」がとても重要ですが、通常の健康診断・人間ドックでは脳の検査は網羅されていません。
脳ドックは「早期予防・早期発見」を目的としており、脳の状態を詳しく調べることができます。脳ドックは日本独特の予防医学で、人口100万人当たりのMRI台数は日本が世界一です[※1]。
本記事では、具体的な検査項目やその重要性について、詳しく解説していきます。
脳ドックには様々な検査項目が含まれており、MRI・MRA、CTスキャン等で脳の状態を把握します。
脳ドックは、病院・クリニックによって、また、選ぶコースによっても、検査できる項目が異なりますので、気になる項目、知りたい内容に合わせて、コースを選ぶことができます。一般的に、基本コースにMRI・MRAが含まれており、オプションで検査内容を追加することができる病院・クリニックが多いといえるでしょう。
これらの検査により、以下のような症状や異常等がないかを調べることができます。
注意点として、 脳ドックでは一般的にMRI検査を行いますので、心臓ペースメーカーや人工内耳、脳深部刺激術(DBS)・脊髄刺激療法術(SCS)後である等、体内に一定の金属が残っている方は、MRI検査を受けることができません。
また、金属の材質が不明な場合や、金属を含むメイクやネイルのある場合にも、検査を受けられないことがあります。詳しくは、受診される病院・クリニックにご確認ください。
下記に当てはまる項目がある方は、脳ドックを受けた方が良いと言えるでしょう。脳ドックの受診ができるタイミングに、ぜひ一度受けてみてはいかがでしょうか。
脳の健康には生活習慣が影響します。健康診断で基準値を外れた項目が多い方、特に、脂質異常症の方、肥満気味の方、高血圧の方、糖尿病の方、喫煙習慣のある方、お酒をたくさん飲む方は、脳ドックを受けた方が良いと考えられます。
※参考記事:
健康診断の結果で見るべき、9のチェックポイントを紹介!
認知症対策に。予防行動を意識した生活習慣で海馬の萎縮を抑える方法とは
記憶をつかさどる海馬は脳の老化に最も先行して30代より萎縮が始まりますが、ストレスは海馬の萎縮リスクを高めます。
※参考記事:
海馬とは?!記憶をつかさどる脳の海馬について徹底解説
脳ドックを受けることで頭痛の原因を調べることができるほか、脳に異常がないかを早期に調べることができます。
脳卒中・認知症には、生活習慣のほか、遺伝的要因が関与するとされています。
実際に脳ドックを受診したことのある方々に、「脳ドックを受けようと思った理由・きっかけ」についてアンケートを行いました。
株式会社CogSmart調べ
脳の病気は自覚症状が出にくいからこそ、脳ドックで異常がないかどうかを定期的に確認することが重要です。早期に病気や症状を発見することで、必要な対応・早期予防行動をとれる可能性が高まります。
その一方で、脳の老化に先行して30代より萎縮が始まる部位は記憶をつかさどる「海馬」ですが、小指程度の大きさしかないため、通常のMRIと医師の目視確認だけでは、健康なうちからの海馬の微細な萎縮を判別することは難しいとされてきました。
つまり、通常の脳ドックで分かるのは疾病の有無で、症状が発生する前の健康なうちからの海馬の萎縮度合いが計測できるわけではありませんでした。
東北⼤学加齢医学研究所の開発したAI画像解析技術に基づき、健康なうちからの海馬の大きさを測ることができるようになった検査が、「BrainSuiteⓇ(ブレインスイート)」です。海馬の大きさと共に、同性・同年齢と比較した海馬占有率や、経年変化予測も見ることができます。
海馬は脳内で唯一、神経の生まれ変わりが発生し、生活習慣の見直しにより何歳になっても萎縮を抑えたり、大きくすることもできる部位です。BrainSuiteで海馬の大きさより脳の健康状態を把握し、生活習慣を改善することで海馬を育てることができます。
このように、BrainSuiteを脳ドックのオプションとして受診することで、より早期からの予防行動・生活習慣改善につなげることができます。脳ドックのオプションとしてだけではなく、BrainSuite単独で検査を受けることができる病院・クリニックもあります。
※参考記事:
海馬とは?!記憶をつかさどる脳の海馬について徹底解説
BrainSuiteの検査を受けることのできる病院・クリニック一覧
脳ドックを受けるために必要な時間は、一般的に1~3時間程度です。ただし、人間ドックを含むコースでは1日かかることもあります。具体的な時間は、検査内容や病院・クリニックによっても異なりますので、直接お問い合わせする等して確認しておくと良いでしょう。
脳ドックのオプションだけを切り出して受けることができるものもあり、この場合、より短時間で受けることのできる場合があります。例えば、海馬の大きさを測る脳検査「BrainSuite」は、単独検査ではMRI撮像時間は10分以内、施設での受付などを含めても約30分あれば全て終了、となる場合もあります。
※BrainSuite単独検査の場合も所要時間は病院・クリニックによって異なります。
脳ドックは日本独特の予防医学で、日本は世界でもっとも「人口100万人当たりのMRI台数」が多い国でもあります [※1]。
このため、MRI検査費用は諸外国と比べても安価に設定されており、脳ドックは日本で特に安価で受診できる検査である、と言えるでしょう。日本では一般的なコースで2~10万円程度(検査内容や病院・クリニックによって異なります)で、オプションだけを切り出して受けることができる場合はより低単価で受けられることもあります。
この一方、例えば、香港では一般的にはMRI撮像だけで10万円以上掛かりその上で診療代等が上乗せとなります。
脳の老化に最も先行して30代より萎縮の始まる「海馬」の大きさをAIで測る検査「BrainSuite」だけを切り出し、単独検査として好きなタイミングで手軽に受けていただける電子チケットは16,500円(税込)でオンライン販売しております。人生・生活を共に過ごしてきた大切な方々に、プレゼントとしてチケットを贈ることもできます。
※参考記事:
脳ドックの費用は?助成金やふるさと納税の活用方法も含めて解説
総合病院や健康診断センター、脳神経外科のあるクリニック等で、脳ドックを受診することができます。
脳ドックは、健康診断や人間ドックと同様に、定期的に受けることで経年の変化を見ることができます。そのため、病院・クリニックを選ぶ際は「今後も継続して通うことができる施設」であること、そして「気になる項目、知りたい内容がコースに含まれているか」を基準に選ぶと良いでしょう。また、MRIなどの設備が充実しているかどうかも基準になるでしょう。
定期的に脳ドックを受けるためには、気軽に通える場所にあることも大切です。ご自宅や職場近くの病院・クリニックであれば、継続して受診しやすいでしょう。
BrainSuiteを導入している全国の提携施設はこちらよりご確認いただけます。
■北海道・東北地方のBrainSuite提携施設一覧
■関東地方のBrainSuite提携施設一覧
■中部地方のBrainSuite提携施設一覧
■関西地方のBrainSuite提携施設一覧
■中部・四国地方のBrainSuite提携施設一覧
■九州・沖縄地方のBrainSuite提携施設一覧
脳ドックでは基本的に
MRI(磁気共鳴断層撮影)とMRA(脳血管撮影)を撮りますが、脳ドックのコースによっては頸部MRA、頸動脈エコー検査、海馬検査「BrainSuite」などのオプションもコースに含んでいるなど、病院・クリニックごとに独自のコース内容が設定されていることが多いです。
気になる項目、知りたい内容に合わせて、コースを選ぶことができますので、場所と合わせて最適なコースがあるかどうかも病院・クリニックを選ぶ際の基準とすると良いでしょう。
■脳ドックの検査内容
脳ドックでは基本的にMRIを撮りますが、病院・クリニックがどのようなMRIを導入しているかも施設を選ぶ際のポイントになるでしょう。
例えば、最新のMRIでは、MRI特有の動作音や閉塞感・圧迫感が軽減される機能が備わっており、より快適に受診することもできます。また、閉所恐怖症の方の場合、通常のMRIでは受診が難しい可能性もありますが、オープン型のMRIを導入している病院・クリニックもあります。
最新のMRIを導入している病院・クリニックでは、施設のWebサイトにその内容を掲載していることも多いですし、お問い合わせ時にご確認することもできます。
■北海道・東北地方のBrainSuite提携施設一覧
■関東地方のBrainSuite提携施設一覧
■中部地方のBrainSuite提携施設一覧
■関西地方のBrainSuite提携施設一覧
■中国・四国地方のBrainSuite提携施設一覧
■九州・沖縄地方のBrainSuite提携施設一覧
参考文献
[※1]OECD Health Statistics 2023