東北大学 瀧 教授に聞く!
脳の健康が生活にもたらす影響とは?~後編~
東北大学加齢医学研究所教授であり、BrainSuiteの開発者でもある瀧靖之教授に一問一答インタビュー。
脳の健康が生活にもたらす影響から認知症の理解、BrainSuiteを活用した効果的な対策方法まで細かく解説。
インタビューの前編では、脳の健康を意識することがなぜ大事か、具体的な対処法を交えて解説。
後編では、BrainSuiteのサービスを深掘りしていきます。
Q. 脳の健康を維持する手段として、BrainSuiteにはどういった特徴がありますか?
BrainSuiteのプログラムには3本の柱があります。第1がMRIで撮影した「頭部MRI画像解析」、第2が「オンライン問診と脳のパフォーマンスチェック」、第3が生活改善のアドバイスを示す「結果レポート」です。これらを組み合わせて脳の健康状態を精緻に見える化し、脳の健康対策につなげることが出来ます。
第1の柱:MRI画像解析
Q. まず、第1の柱の「頭部MRI画像解析」とはどのようなことをするのでしょうか?
第1の柱である「頭部MRI画像解析」では、独自に開発したAI「Hippodeep(ヒポディープ)」を活用し、脳のMR画像を解析します。その中でも、脳内にある「海馬」という部位に、私たちは着目しました。
Q. 「海馬」とは一体どういった部位なのでしょうか?
海馬は記憶をつかさどる部位であり、脳の中で最も早く認知機能低下の兆候が現れます。また、海馬は神経の生まれ変わり(神経新生)が起きる、数少ない部位でもあります。神経新生の起きる海馬を分析することで、脳の認知機能の測定が出来るというわけです。
Q. 脳が健康かどうか、どのように判断しているのですか?
BrainSuiteは、健常者の脳画像データベースをもとにして、脳の健康状態を科学的に評価しています。若い世代を含めた(20〜80歳)約3,300例の健常者の頭部MRI画像を横断的に蓄積し、そこに約8年分(約400例)の同一被験者の縦断データを盛り込んでいます。
これにより、個人の属性や生活習慣が、どのように脳に変化をもたらすかをより客観的に見える化しています。
第2の柱:オンライン診断
第3の柱:結果レポート
Q. 続いて、第3の柱である「結果レポート」とはどういったものですか?
第3の柱である「結果レポート」では、同世代と比べた海馬の体積、認知機能への影響、脳健康活動の分析、生活習慣の改善による10年後の海馬体積の差(予測)といった詳細な解析結果を提供します。
レポートには、簡易的な生活習慣のアドバイスが記載されていますが、より自分に合った改善アドバイスが得られるようにMyPageへのご案内も記載されています。
そのため、結果を知るだけでなく「予防行動」という次のステップに繋げることが出来ます。
Q. MyPageとは何でしょうか。他に脳健康維持をサポートしてくれるようなサービスはありますか?
Web上に会員ページを設け、継続的にBrainSuiteを受検された方をフォローアップする仕組みも構築しています。過去のデータを時系列で見ることで脳の健康維持を実感することが出来ます。また、会員ページでしか見られない「脳健康の維持に役立つコンテンツ」も見ることが出来ます。
他にも、検査を受けた方に配られる予防行動BOOK(2023年発行)には、世界中の脳科学研究の学術論文をベースにしたアドバイス情報が載っています。
Q. 最後にBrainSuiteの検査を検討している方に一言お願いいたします。
人生100年時代と言われている今、脳の健康をいつまでも保つことは、幸せで充実した人生を歩んでいく上でとても有用です。また、脳は何歳になっても変化する力、つまり「可塑性」があります。
思い立ったその日から生活習慣をよりよく変えることは、確実に将来の脳の健康維持に寄与します。今の脳の健康状態を確認するためにも、そして生活習慣を変えるきっかけとしても、ぜひBrainSuiteを活用してくだされば嬉しく思います。